南米やアフリカなど、一部の地域へ渡航する際はイエローカードの提示を求められます。また、このイエローカードを所持していないと入国できない国もあります。
いろいろな国を旅する場合、事前に予防接種を受ける方が多いと思いますがこのイエローカードに関しては摂取のタミングが重要です。
今回はイエローカードの取得方法と予防接種についてお伝えします。
イエローカードとは
黄熱の予防接種証明書のことです。主にアフリカ諸国や南米の一部の地域に入国する際提示を求められます。(黄熱の流行状況などによりイエローカードが必要な国が突如変更となる可能性があります。渡航前に各大使館などで確認してください)
以前は接種10日後から10年間まで有効でしたが、現在は接種10日後から生涯有効となりました。(既にイエローカードの有効期限が過ぎている方も生涯有効が適用されます。また、更新手続きの必要はありません)
黄熱とは
蚊(主にネッタイマシカ)に刺されることで発症する感染症です。
感染すると通常3〜6日の潜伏期間を経て頭痛、発熱、寒気、筋肉痛、嘔吐などの症状が見られます。重症化すると臓器出血や黄疸をおこす致死率の高い病気です。また特別な治療法がなく、対症療法が行われるため早期治療が求められます。
黄熱に感染する危険性のある国は以下:
アフリカ地域 | アンゴラ、ウガンダ、エチオピア、カメルーン、ガーナ、ガボン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール、シエラレオネ、スーダン、セネガル、赤道ギニア、中央アフリカ、チャド、トーゴ、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、ブルンジ、ベナン、マリ、南スーダン、リベリア、モーリタニア |
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アメリカ地域 | アルゼンチン、エクアドル、ガイアナ、コロンビア、スリナム、パナマ、フランス領ギアナ、ブラジル、ペルー、ベネズエラ、ボリビア、トリニダード・トバゴ(トリニダード島のみ)、パラグアイ |
※流行状況により変更となる可能性があります。
但し、これらの地域は黄熱に加えてマラリアやデング熱も流行しています。黄熱ワクチンは黄熱にしか効きませんので、予防接種をしても蚊よけ対策が必要です。
長袖長ズボンの着用や、虫除けスプレーをこまめに使用し蚊に刺されないよう気をつけましょう。宿泊地では蚊取り線香や蚊帳も非常に有効です。
海外では有効成分が強いものが売っていますが、肌に負担を掛けやすいです。日本で販売されているもので現在最も効果が高いのが以下のようなディート30の商品です。効果は高いですが、こまめに塗布するのが大事です。
予防接種のタイミング
黄熱ワクチンは生ワクチンのため、接種後28日間は他の予防接種を受けることができません。
A型肝炎など他のワクチンも同時に接種する場合はトラベルクリニックなどで相談して接種するようにしてください。私は黄熱ワクチンを接種した後日本で麻疹が流行しましたが接種することができませんでした…。
また、ワクチン接種直後は副作用をみるための期間が設けられているため、接種直後すぐに渡航することはできません。ワクチンは渡航2ヶ月前から問い合わせが可能なので、余裕を持って動きましょう。
イエローカードの取得方法
黄熱ワクチンは完全予約制で、また接種できる場所・日程・その日の定員が会場により決まっています。スケジュールに余裕をもって接種しに行きましょう。
こちらから最寄りの検疫所を探せます。
予約方法
- 行く予定の検疫所に電話をする(大体10分くらいで終わります)
電話では渡航先の国、期間などを聞かれます。いつからどの国にどのくらい滞在するのか、例えば世界一周予定で正確な日程が決まっていなかったとしても大体の時期などは伝えなければなりません。また行く国は「南米」と言う括りではなく国名を伝えなければならないので、情報をある程度整理してから電話しましょう。
持ち物
- 手数料11,180円分の収入印紙(支払いは収入印紙のみです。事前に用意していきましょう。東京検疫所は1階の売店でも販売しています※現金のみ)
- 予防接種に関する申請書及び問診票(A4片面印刷でプリントすること。各検疫所のサイトでダウンロード可能)
- 身分証明書(検疫所では入館時に提出を求められることがある)
- ボールペン
- 予防接種手帳(必要な人のみ)
予約当日
予防接種は時間厳守となっています。遅れた場合接種できないこともあるので注意が必要です。
また予約者は受付順に呼ばれるので、早めに行くことをお勧めします。会場によって定員は違うと思いますが、私が行った東京検疫所は30人強は待合室にいたと思います。早く行けば早く終わります。
またこれは東京検疫所の話ですが、係員が予約者の名前を呼ぶ声が聞こえづらいので(待合室の外からあまり声を張らずに呼ばれるため)東京検疫所に行かれる方は前方の席に座っていた方が聞こえやすいかもしれません。
予防接種は二の腕に打たれるので腕を捲りやすい服装で行きましょう。
予防接種のあと30分ほど副作用をみるために椅子に座って休みます。問題なければイエローカードをその場で受け取って終了です。
まとめ
細かなことは検疫所によって違いますが、基本的なことは同じです。イエローカードは失くすと再発行ができますが、再発行は予防接種を行った検疫所のみで可能です。また、再発行手数料がかかりますので大切に保管してください。
イエローカードがあればアフリカ、南米などの国に入ることができますが予防接種と言えど打ったら絶対に病気にならないものではないので、渡航中は油断せず対策を心がけましょう!よい旅を!
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